インタビュー

素顔VOL.02

お店だけでは決してわからない“ありのままの姿”をインタビューで紐解いていく「素顔」。ホストとしてだけではなく、ひとりの人間として本音を語ってもらった

OPUST
代表
青山 礼満

やらない善よりやる偽善

家が都内にも何店舗かある飲食店を経営していて、中学卒業後から働き始めました。高校進学も少しは考えた時期もあったんですが、祖父から「お金を払って学ぶのではなく、技術を学びながらお金をもらいなさい」と教わってきたので。

また高校の3年間と大学の4年間の合わせた7年間と社会人として働く7年間は全く引けをとらないとも教えられました。いままさにその通りで、大学出てる人に負けてるとも思わないし、中卒であることを恥ずかしいなんて思ったことはないですね。

飲食店で働き6年が経った頃、元々カフェが好きだったのもあり、自分で開業したいと思うようになりました。実はその間に1年だけ全く関係ないカフェに勉強の為に就職してたんですよ。

どういう内装が好まれるのか、どんなメニューがあって、どんなサービスをしているのかを現場で体感しながら学びたかったんですよね。

ちょうどその頃、祖父が1店舗潰すか迷ってたのもあり、貸してくれるように頼んだんです。そして、数ヶ月後に共同経営でカフェを開業することになりました。

フードとかは他の従業員に任せて、僕はガンガン接客してたら、気づくとカフェなのに自分のお客さんを抱えるぐらいになってました。

今思うと、その頃からホストみたいな事をしてたんですね(笑)。で、2年経った頃、やはり共同経営は仲が良くてもブツかる事は当然あって、僕が退社する事を決意したんです。

ホストの世界に入ったきっかけは、本当に生半可な動機なんです(笑)。そもそもホストに対するイメージは悪くて、自分には無縁な世界だと思ってたぐらい。靖国通りから歌舞伎方面は足を踏み入れた事なかったですからね。ある日、ホストをやっていた仲間の1人から「お前は顔面はアレだけど、それだけ喋れてカフェでもお客を呼べてたんだからホストに向いてる(笑)」って言われて、興味が湧いたんですよね。その頃は刺激をものすごく求めていて、何か面白い事を探していたので、環境を変えてみるものアリだと思って、そいつの紹介でこの世界に入りました。

実は入った当初はものすごいロン毛だったんです(笑)。周りからは切った方が良いと言われてたんですが、なんか歌舞伎に染まりたくないとかで意地になって切らなかったんですよね。

覚えてないんですけど、その時の上司に俺は「知らないんすか?いま世間では黒髮ロン毛が流行ってるんすよ」ってドヤッて言ったみたいなんです。

最近、そんな思い出話をされてメチャクチャ恥ずかしかったですよ(笑)。で、ロン毛ホストで2ヶ月が経った頃気づきました、「これでは売れない」と(笑)。

少ないですけどロン毛を支持してくれるお客様もいましたが、これからのお客様にはどうなの?と思いましたし、お客様が手に取りやすい商品にならなくてはいけないと思って、バッサリ切る事を決意しました。

その頃にはすっかりホストに対するイメージが180度変わっていましたね。女の子を騙くらかしてお金を巻き上げてるというのは微塵もなくて、むしろ本気でお客様と向き合う商売であり、その対価としてお金をいただいてるのだと感銘を受けてたぐらいです。

僕はお酒を一滴も飲めません。その事はお客様にも説明していますし、個人的にはお酒は売上を上げる1つのツールという認識です。

お客様と目と目を合わせて本気で会話すれば、お酒がなくても十分に楽しめると思っています。そして僕がお客様との関係で特に大事にしているのは2つあって、1つは「絶対に後悔をさせない」こと。

決して安くはないお金を払って来ていただくわけですからね。そしてもう1つはお客様が「出会った頃よりもキレイ」になって欲しいということ。

持ってるお金を全て使って僕に会いに来るのではなく、例えば半分は自分の為に使っていただいて、余ったお金で遊びに来て欲しいと思ってます。もちろん外見だけではなく、ハートの部分もお互いもっとキレイになっていくのが理想ですね。

4月からおかげさまで代表に就任させていただきました。僕がこの店に来て、代表になった方を3人見てきたんですが、元々力のある方達が、代表になった事で、より人としての魅力が増し、責任感がこんなに人を大きくするものだと感じていたので、自分の成長も楽しみだったりします。

僕がこれまで教わったことや経験した事を下の子に伝え、みんなが笑顔になれるようなお店を作りたいですね。特に下の子に伝えていきたいのは「やらない善よりやる偽善」。

例えば道端に自転車が倒れてたりします。それを起こすのは偽善かもしれないないけど、やらないよりかは偽善であってもやるべきだと教えています。

僕らは魅せる商売であるわけで、そういう姿って誰かがどこかで見てると思うんですよ。それだけでその人の価値って上がると思いませんか?

そして常に迷ったら「かっこいい方を選べ」と言っています。僕もこれは教わって実践してきたんですが、人は誰でも立ち止まる事があると思います。

選択肢がいくつかあって迷った時に「カッコいい方」を選べば、結構上手くいくんですよ。男として、人として誰から見ても「カッコいい」をやっていけば、その人の魅力はどんどん上がっていきますから。

もうおわかりいただいてるともいますが、僕は熱い男なんです(笑)。ホストとしての技術より前に、僕はハートの部分をまずは育てていきたいんです。こんなお店どうですか?(笑)

家がイタリアン系の飲食店を経営。その影響で小さい頃からパスタやピザを食べる機会が多く、現在では主食がピザとか(笑)