インタビュー

ホストだけどラーメン屋オーナーです

DeZon(ディゾン)とLucent(ルーセント)の代表を務める傍ら、歌舞伎町で話題のラーメン屋「薬膳マーラータン」のオーナーでもある美堂 瞬さん。ホストでありながら、なぜラーメン屋の経営をしているのか。その経緯やマインドについて迫りました!

薬膳マーラータン
東京都新宿区歌舞伎町2-21-4
三経21ビル 1F
tel.03-6233-8478
オーナー
美堂 瞬

今ホストをしている
若い子たちの目標になりたい

このマーラータンのお店を始めたのは、もともと僕が『夜中に罪悪感なく美味しいものを食べたい』と思ったのがキッカケです。

ホストキャリアをスタートしたのは大阪で、東京に出てきたのは23歳の頃。その時の目標が30歳までに3000万を貯めることで、それを元手に何か自分で事業を始めようと考えていたんです。東京は売上が上がりやすい環境だったこともあり、27歳で目標貯金額に達しました。

僕は太りやすい体質なので美と健康に気を使っていたのですが、歌舞伎町は仕事終わりの時間帯に営業しているヘルシーで美味い飯屋が少なくて。

それで4年ほど前に従業員の紹介でマーラータンの大久保店に行ってみたら、カロリーが一般的なラーメンの3分の1なのにすごく美味しくて、週4でそのお店に通うようになりました。

2年ほど通った頃、大久保店のオーナーに歌舞伎町にも出店してくださいって話したら、やりたいけど歌舞伎町に詳しい人間がいないと言われたので、僕がフランチャイズでやりましょうかと持ちかけたんです。

それからフランチャイズの話が本格的にまとまってきたので、路面店で空いている物件を探すことに。

しかし当時空いている路面店はここしかなく、どうしても東京でオリンピックが始まる前にはオープンさせたかったので、家賃は高いですが結局今の場所に決めました。なので、ルーセントの上の階にあるのは狙ってではないですよ(笑)。

飲食店は正直1店舗だけだと売上に限界があるので、お金だけに目を向けたらホストをしている方が稼げますね。

それでも実際に経営者として舵をとることで培えるノウハウは将来に活かせる財産になりますから、ディゾンとルーセントの代表をしながらでもやる価値があるんです。

普通だったら時間がなさすぎて勘弁してくれと思うかもしれませんが、全ては自分で蒔いた種なので、そこは自分のアクションでどうにかするべきだと思っています。

対人関係も同じで、人を変えようと思って相手に「変われよ」って言っても変わらないけど、自分のアクション次第では相手を変えられるんです。

僕はこういった『インサイドからアウトサイド』の視点で物事を考えるようにしています。

もちろんルーセントとディゾンを見るのも僕の大事な仕事です。

だからどんなに忙しくても従業員の相談に乗ったりご飯に行ったりする時間は設けていますし、一緒に時間を共有することは絶対に必要だと思っています。実は昔の僕は「俺が偉いんだから俺の言うこと聞けよ」ってスタンスでした。

しかしそれでは人が付いてこないので、現在は『その子にどう言えば響くか』に重きを置いています。例えば、従業員がやってはいけないことをした時。ただ怒ってコントロールするのは相手に響きにくいので、僕の場合「お前ここさえ出来ればもっと上のランクに行けるのにもったいないな」みたいな言い方をするようにしています。

対人という点は飲食店であろうとホストクラブであろうと何も変わりませんから、どちらの従業員にも同じように接しています。

これは将来的な話ですが、いずれはこのお店を4店舗展開したいと考えていて、さらに別でエステや観光事業も始めたいです。

現在の僕が自由か不自由かで言ったら、休みなく働いているという意味では不自由なのかもしれません。

けど僕はやりたいことがあるのにお金がなくてできない状態の方が不自由だと思うんです。だから自分にとって関心のあるビジネスを億単位でも始められる状態になったら、それが僕の中で人生の自由なのかなと。

将来に不安を感じながらホストをやっている若い子たちにとっての目標になれたら良いなと思っています。